こんにちは!ちば君です♪
ー目次ー
はじめに💡
介護って精神的に辛く感じる人もいれば、楽観的にとらえて上手く精神状態を保っている人もいます。
精神的に辛い理由がはいくつか考えられます。
- 1人で介護している
- 終わりの見えない介護
- 自分(介護者)の時間をもてない、気分転換ができない
- 認知症に対してどのように対応していいかわからない
- 介護の方法がわからない
- 好きでもない人の介護をさせられている
- 自分のことでも精一杯なのに人の介護ができない、やらなくちゃいけない
- 自分が音をあげたら、介護される人の状態が悪化してしまう
この最後の二つ
✅自分のことでも精一杯なのに人の介護ができない、やらなくちゃいけない ✅自分が音をあげたら、介護される人の状態が悪化してしまう |
こんなふうに考えてしまっている方がいたら要注意です!
「要注意なんて言っても、実際に介護しなくちゃいけないんだからしょうがないだろ〜!」と叫びたくなりますよね💦
介護される人は、すでに介護されているのですから「介護する人」がいないと生活していけません。
でも、その人を介護しなくちゃいけない人は本当にあなただけですか?
でも、その人の介護を全部、あなたがしなくちゃいけないですか?
今、想像している介護の全部です。全部。
他の人に頼める仕事があるのに責任感が強く、一人でが抱え込んでしまう。そんな人いますよね。
介護も同じように、人に頼める介護があるのに一人で抱え込んでしまうことありませんか?
今回は介護に熱心になりすぎてしまったがために、自分を犠牲にして、自分の人生をダメにしてしまう。
そうならないように『共依存』というキーワードを用いて介護のちょうどいい距離感の取り方についてつらつらとお話ししていきたいと思います。
結論
『共依存』の関係になっていたら自ら状況を改善するのはかなり難しいです。
第三者が強制的に『分離(離れる)』させて、正常な判断ができる状態になるまでカウンセリングなどを受け、ちょうどいい介護ができるマインド(考え方)になるようにサポートを継続する。
『共依存者(介護する人)』は提案を拒否したり、一度受け入れても直前に考えをあらためて実行しなかったり、関わりがとても難しい支援です。
見切りをつける期間やイベントを決め、一気に解決に向けて動くこともあります。
『共依存』とは?
共依存とはどんな状態・どんな状況の依存か
「自分と特定の相手が、互いにその関係性に過剰に依存し、その人間関係に囚われている状態」をいいます。
もともとはアルコール依存症の患者と家族との関係から生まれた言葉で、依存症患者がパートナーに依存、パートナーも患者のケアに依存、この関係が続いていることから使われるようになりました。
その後、アルコール依存症に対してだけでなく、ギャンブル依存症や薬物依存症、インターネット依存、DV(家庭内暴力)などでも同じ関係性が認められるため、「共依存者」とは、「ある人間関係に囚われ、逃げられない状態にある者」としての定義が広まりました。
共依存になる人の特徴
- 自分(共依存者)を犠牲にして、相手の世話を優先する。
- 相手に必要とされることで、自分(共依存者)の存在意義を感じる。
- 相手をコントロールしたがる。
- 自己の価値を低く見ている。
- 他者との境界があいまいである。
- 相手に問題があるのは自分が割るからだと思う。
- 物事を極端にとらえ、客観的に見ることができない。
- 自分の気持ちを伝えることが苦手。
これらが「共依存者」に共通する特徴ですが、本人は意識できていなく自然にその状態になってしまっていることも多く、変える方法が見つかりにくいです。
この状態がよくないという事にも気づいていない場合もあります。
共依存の簡単な例
恋人同士の例で簡単に状況をイメージしてもらいます。
「仕事はできる、束縛する、暴力を振るう彼」
「彼のいうことを何でも聞く、彼を怒らせるのは自分が悪い、彼の本当の姿は優しいと思っている彼女」
二人は部署は異なれど、同じ会社で付き合い始めた職場内恋愛です。
彼女は仕事のため、しかたなく同部署の男性に仕事として関わりますが、彼氏がそれを許さずに暴力を振るいます。
またデートでうっかり場所を間違えた時には人気のないところに連れて行かれ、「俺を心配させるなよ!」と言って暴力。
こういったことに彼女は「自分が必要とされている」と勘違いをします。
彼女が「自分が必要とされている」と感じてしまうのは、彼氏が暴力を振るうった後は必ず泣いて彼女に謝る言動が見られるためです。
「ごめん、本当は暴力なんて振るいたくないんだ。でもやってしまうんだ」と。
そして彼女はそんな彼に同情し、「この人は私が守ってあげないと」と考えてしまいます。
時々、自分(彼女)の考えがおかしいのかと考えることもありますが、彼氏のことを考えると私が離れたら彼氏がおかしくなってしまう。だから別れられない。
こんな思考になってしまうんです。
では、介護における『共依存』はどんな状況だと思いますか?
『共依存』になると抜け出すことができなくなる無限ループ
介護における『共依存』はどんな状況だと思いますか?
介護となると主に次のような関係性があります。
- 夫婦での『共依存』
- 親子での『共依存』
主にこの二つです。
僕はどちらのケースにも遭遇し地域包括支援センター、役所、医療機関と協力し関係者間で何度も話し合い『分離』という決断の取りました。
- 夫婦での『共依存』
- 親子での『共依存』
簡単に二つの事例を紹介します。
状態が悪いことを受け止められない息子
治療を受けたり、薬を飲んだり、リハビリなどの介護サービスを受けて、老化、状態の悪さを〝治して〟〝昔の元気な姿に戻ってほしい〟こんな非現実的な考えを持つ人が『共依存者』に見られます。
認知症状があっても、「演技しているのではないか」と「まともな時もあるから」と介護者が病気を受け止めず、認知症を認めないケースが多いです。
母をもっと良くしなくちゃ、また元気な姿に戻ってほしい。そのためには自分がもっと頑張らなくちゃ、もっといいご飯を、もっといいリハビリを、もっともっと、、、
終わりなく〝もっと〟を求めてしまいます。
ただ、「介護がしんどいんです。」と助けを求めてくることもしばしば。
デイサービスの回数を増やす、ショートステイの利用も検討しましたが「母がかわいそう」「まだ頑張れる」と言って見送ることばかりでした。
ある時、母本人から連絡がありました。
「息子がもう無理だ!死んでやる!」と言って出て行ってしまったと。
息子さんに連絡し家に戻って話し合いたいと説得。
実は息子さんは心療内科に通っていて、薬を処方されてる、また過去には自殺企図もありました。
今回ばかりは僕もかなり食い下がって介護サービスを利用することを進めましたが、僕と話をしていると落ち着いた。
と話、結局はいつもの通りに介護サービスは見送ることになりました。
現在も状況は変わらずです。
介護が大変なのに、離れると寂しくなる妻
認知症の夫からひどい暴力を振るわれ、何度も警察沙汰、近所のお世話になるケースがありました。
奥さんは認知症と認識できていたんですが、洋服が着れない、お風呂に入らないご主人にイライラしていました。
ご主人も自分の気持ちをしっかりと伝えることができず、怒鳴る、たたくなどの暴力行為になってしまいます。(気持ちをうまく伝えられないのは認知症の症状です)
たまりかねた妻が近所、警察へ助けを求めるのです。
僕が介入した当初、認知症の診断はついていなく、まずは精神科のある病院へ入院することを検討しました。奥さんも症状が治まる可能性があるなら是非お願いしたいと同意したのですが、、、
入院した翌日、病院から衝撃の連絡が僕にありました。
👩⚕️「今日、奥様が面会に来られ、やっぱりこんなところに入れるのはかわいそう。と言って退院されました。」
僕「えぇ〜😱❗️」と心の中で叫びました(笑)
あんなに、あんなに助けを求めてたのに😱(笑)
奥さんから話を聞くと、「1日離れて感じた。この人を見るのは妻としての私の役目で、私しかいないと」
こうおっしゃっていました。
まったくもう・・・💧と思いつつ。数日して地域包括支援センターから電話が・・・
👩「今、警察からこちらに電話がありました。奥様からの通報で夫に暴力を振られている助けてほしい」と。
・・・・😳💧(心の中はこんな感じでした)
駆けつけると警察が数人、奥様は泣いておられました。
この騒動で地域包括支援センター、市役所、ケアマネとで「分離」が望ましいと判断、奥様にも了解をもらい依然に入院した病院へ相談しまいたが受け入れを断られてしまいました。
緊急ショートステイの対応をとりましたが、当日、こういった理由で受け入れてくれるところはなかなかありません。
何件も断られましたが、一泊だけならと受け入れをしてくれるショートステイがありました。ε-(´∀`;)ホッ💦
この一泊の間に関係者(奥様を除いた)で今後の方針を検討します。
「分離」が有効であることは関係者全員で一致させている考えですが、人の人生に関わる決断です。
本人のこと、奥様のこと、今までの経緯の繰り返し、『分離』したあとの本人、奥様のフォローについて。
いろいろな視点で『分離』は本当に適正なのか協議検討しました。
市役所が関わっているからと言っても、裁判ではありません。裁判官であれば人の人生を決める判決ができますが、そんなことはできません。
本人は認知症状がひどく進み、正常な認識、判断ができないため、奥様の理解、了解を何度も確認し次に騒動が起きた時には警察に精神科へ連れて行ってほしいと強くお願いするように説明しました。
次のショートステイ先が見つからなかったため、仕方なくご主人は帰宅。
そして、その日に騒動が起き、奥様は警察へ連絡。
打ち合わせしたように奥様は警察へ医療機関へ繋げてほしいと訴え、ご主人は精神科のある病院へ連れて行かれ入院となりました。
2つの事例のまとめ
2つの事例をもとに『共依存』の無限ループについて紹介しました。
- 1つ目の事例では〝相手に問題がるのは自分のせい。もっと自分が頑張らなくちゃ〟と、「自分を責めるループ」
- 2つ目の事例では〝一緒にいるとしんどいのに、いなくなることで虚しさを感じる。〟相手がいることで、「自分の存在意義を感じるループ」
『共依存』の関係になると客観的な判断、決断ができないことで精神面や身体面が崩れる。
よくない関係と分かっていても、相手がいるから自分がいる。
そんな状況から抜け出せなくなってしまっている。
底なし沼のような状況です。
『共依存』から抜け出すには?
高齢者が関する『共依存』から抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?
関係性に気づく
若い人たちの間にある『共依存』とは違い、外部から気付きやすい、介入しやすい特徴があります。
病院
ほとんどの高齢者はなにかしたの病気をもっていて、1ヶ月、3ヶ月など定期通院しています。
『共依存者(介護する側)』でも、なにかしらの助けを求めたり、自分(共依存者)が介護を頑張っているとアピールしたい、知ってほしい心理があるように感じました。
医療機関が家族から介護状況を伺い、なにかアドバイスをしても、同じ相談が繰り返されている場合は『共依存』の関係になっていることが想像できます。
医療機関が地域包括支援センターへ介入の相談をする場合もあります。
介護サービス
すでに介護サービスを利用している。そんな状況であれば病院よりも『共依存』の関係に気付きやすく、介入もしやすくなります。
ヘルパー、デイサービスを利用していれば最低でも週に1回、多ければ3〜5回利用している方がいます。
介護サービスは生活そのものに関わっているため、通常の関係性を知った上で観察できます。
様子がおかしい時はケアマネージャーへ知らせてくれ、ケアマネが配慮、考慮し話を伺ってくれまます。
本人(共依存者)に改善の余地があるか確認する
2つの事例ではそれぞれに状況に改善案であったり実際に改善に向かって行動していました。
それでも自分の関わりが良くないと自らを責めて外部の助けを遮断したり、離れることを望んでいても、離れた途端に心に大きな穴が開き、自ら同じ状況に戻して穴を埋める。
本人に状況改善案を出したり、促したり、実行しても無限ループに陥ってしまっているのであれば改善の余地がなく、強制的な改善が必要となってきます。
強制的に「分離」を進める
本人(共依存者)に状況改善の余地が見込めない場合、経過をみてもなにかしらの好転が見込みにくい場合
相手(介護を受けている人)と本人(共依存者)に繰り返し「分離」の必要性があることを説明し、次の騒動をきっかけに「分離」をとります。
この「次の騒動をきっかけ」については本人たちに秘密裏にする場合もあります。
「次の騒動をきっかけ」に「分離」します。と説明しておくことで距離を置かれてしまうことがあるからです。
『共依存』は本人(共依存者)が苦しんでいるのに二人の状況を改善できず、精神的、身体的に疲弊していきます。
正常な判断ができない病気の状態です。
こういった状態には第三者の支援が必要で時には強制力を持って離れさせ、正常な判断ができるよにカウンセリングを受ける必要があります。
まとめ・感想
テレビニュースやネットニュースでいろいろな事件、問題をみていると、こうした方がいい、ああした方がいいと無責任に考えることができますが、いざその渦中に入ってその人の人生を考え決断することになると慎重になり、本当にそれでいいのかと何度も確認し、ことが終わった後でも自問自答します。
『共依存』に苦しんでいる人は精神的な病気と思います。
仮に『共依存』の状況が最後まで続き介護をやり切ったとしても介護が終わり、無力感、虚しさでバーンアウト(燃え尽き症候群)することも否定できないでしょう。
本人(共依存者)も苦しい状況から抜け出したい、状況改善したいと思っていてもこの底なし沼から抜け出せない。
だからこそ第三者が沼の中にまで手を突っ込み引っ張り上げる必要があるんです。
人は一人では生きていけないと僕は思います。
自給自足をすれば生きていけるとか、そういった物理的にな考えではなく、現社会において人は群れて生きているわけで、それば物理的な繋がりだけでなく、心のつながりをもっているから生きがいをもって生きていれているわけです。
相手のために自分を犠牲にするのはあながち、間違いではありません。
それでも自分を苦しめて、周りからのアドバイスを受け入れにくくなるまで、孤立してしまうほどになるまで、相手のために何かするのは本末転倒です。
まずは『共依存』の関係にあることから抜け出し、その後に自分(共依存者)の人生と、相手(介護を受けている人)との上手な距離の取り方をカウンセリングを受けたり、ケアマネージャーと相談し合っていくこといいでしょう。
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