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「デイサービスに行ってほしい」と言うたびに、険しい顔をする親。
「行かない」「あんなところ嫌だ」と繰り返される言葉に、もうどうしたらいいのか分からなくなっていませんか。
心配して話しているのに、なぜ拒否されるのか…。
無理に連れて行くのも違う気がするし、このまま私が家で見続けるのも限界…。
そのモヤモヤ、この記事ですこし整理できるかもしれません。
僕は千葉県で主任ケアマネジャーとして働いています。
これまで多くのご家族から「デイサービスを嫌がって困っている」という相談を受けてきました。
この記事では、親がデイサービスを嫌がる本当の理由と、現場で実際に使っている声かけのコツをお伝えします。
最後まで読むと、「なぜ拒否するのか」が腑に落ちて、明日からの声かけが少し変わるはずです^^
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ー目次ー
親がデイサービスを嫌がる「本当の理由」3つ
「なんで行ってくれないんだろう」と悩む前に、まず親の気持ちの側に立ってみましょう。
ケアマネを9年やってきた経験から言うと、拒否の裏にはだいたいこの3つのどれか、もしくは複数が重なっています。
① プライドが傷つく
デイサービスに通うということは、本人にとって「自分はもう一人でやっていけない」という現実を突きつけられる体験です。
特に、これまで家族を支えてきたお父さん・お母さん世代にとって、「施設に通う」ことへの抵抗感は想像以上に強い。
「あんなところに行くような歳じゃない」「まだそこまで弱くない」という言葉の裏には、プライドを守りたいという気持ちが隠れています。
② 知らない場所・知らない人への不安
高齢になると、新しい環境への適応がどうしても難しくなります。
「どんな人がいるの?」「何をさせられるの?」という見えない不安が、「行きたくない」という言葉になって出てきます。
認知症がある場合はなおさらで、初めての場所=怖い場所と感じてしまうことも少なくありません。
若い人でも、転職をして新しい職場へ初めて行くときは、大きな緊張があるはずです。
③ 「楽しみ」が見えていない
これが一番見落とされがちな理由です。
「デイサービスに行けば楽しい」「リハビリができて、歩けるようになる」という理屈は、家族の視点です。
でも本人からすると、「そこに行って何が楽しいの?」という気持ちが正直なところ。
楽しみが見えない場所には、人は自分から行こうとは思えません。
これは90歳でも30歳でも、人間の心理として同じです。
「転ばないためにデイサービス」は、順番が逆かもしれない
ここで少し、視点を変える話をさせてください。 多くのご家族が、こういう気持ちでデイサービスを勧めます。
「転んだら大変だから、リハビリをさせなきゃ」 「一人でいると危ないから、施設に行ってほしい」 この気持ち、もちろん間違いではありません。
でも僕は現場で、この考え方が「逆」になっているケースをたくさん見てきました。
恐怖ベースの動機は、続かない
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
医者から「体重を落とさないと糖尿病になりますよ」と言われた。 →「運動しなきゃ…」と思う。でも続かない。
一方で、気になる人が「ああいう体型の人が好きかも」と言っているのを聞いた。 →「あの人のために頑張ろう!」と毎日キラキラしながら続けられる。
やることは同じでも、目的が違うだけでモチベーションはまったく変わります。
「転ばないために」というのは、転ぶかもしれないという恐怖がベースになっています。
恐怖ベースの動機は、成果が出ないとすぐ諦めやすい。特に高齢の方はなおさらです。
「楽しみを守るために行く」に変えると何が変わるか
順番を変えるとこうなります。
❌ 今の考え方
②身体機能の維持が目的
③「やらなきゃいけない」という義務感
④楽しくない、続かない
✅ 変えたい考え方
②「あの場所に行きたい」「あの人に会いたい」が目的
③「そのためにデイサービスに行こう」という意欲に変わる
④前向きになれる、続く
目的と手段の順番を変えるだけで、本人の気持ちがまったく変わってくるんです。
【実例】90歳のAさんと、デイサービス選びの話
以前、90歳の女性(以下Aさん)を介護しているご家族から相談を受けました。
Aさんは歩行状態が低下していて、外出する機会はほぼない状態。
家族は「転んだら大変」と、リハビリ特化型のデイケアを希望していました。
でも僕が気になったのは、Aさん本人の気持ちでした。
「Aさん、どこか行きたいところありますか?」 「誰かに会いたい人、いますか?」 そこを聞いてみると、Aさんには「また誰かと楽しく話がしたい」という気持ちがありました。
僕が提案したのは、リハビリ特化のデイケアではなく、一日を楽しく過ごせるデイサービスでした。 転倒を防ぐ体づくりより、「今日も楽しかった」と思える一日を作ること。
それが本人のQOL(生活の質)にとって、一番大切だと感じたからです。
最終的にはAさんとご家族の意思を尊重してデイケアを選ばれましたが、「運動もできて、同じくらいの人と話ができて楽しい」とAさん本人が喜んで通い続けてくれました。
そしてAさんは後に、老衰で自宅にて家族に看取られて旅立ちました。 ご家族は最後、「週一回のデイケアを楽しみにしている母を見れてよかった」と話してくれました。
転倒予防という最初の目的は、いつの間にか「楽しみを守ること」に変わっていたんです。
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ケアマネが教える「嫌がる親」への3つの声かけ
では具体的に、どう声をかければいいのか。 現場で実際に使っている方法を3つお伝えします。
① 「行って」ではなく「どこ行きたい?」と聞く
まず試してほしいのが、デイサービスの話を一切しないことです。
「最近、誰かに会いたい人いる?」 「昔よく行ってた場所、また行けたらいいね」 こういう会話の中から、本人の「楽しみの種」を探します。
楽しみが先にあって、デイサービスはその手段として出てくる。この順番が大切です。
「〇〇さんっていう人がいてね、昔の話で盛り上がれるよ」という楽しみの方が、「リハビリができるから行って」より何倍も心に響きます。
② 最初は体験利用から始める
いきなり「毎週行く」のではなく、まず1回だけ体験してみることを提案しましょう。
「一回だけ見に行くだけでもいいよ」という言葉は、本人の心理的ハードルをぐっと下げてくれます。
体験後に「今日どうだった?」と聞くとき、「どんな人がいた?」「何か美味しいものあった?」という楽しみに関する質問から入るのがコツです。
③ 合わなければ変えていい、と伝える
「一度決めたら変えられない」と思っている方が多いのですが、デイサービスは変更できます。
「合わなかったら別のところにしよう」「一回行って合わないとおもったらやめていいよ」と伝えるだけで、本人が「ちょっと試してみるか」と思いやすくなります。
実際、僕の担当利用者さんでも、2〜3か所を試して、最初に見学したところと落ち着いた方は少なくありません。
ちなみに、合う場所をいっしょに探す過程も、立派な介護と言えます。
いっしょに考えてあげることも、介護に貢献しているんですよ^^
それでも拒否が続くとき、家族が限界を迎える前にできること
声かけを工夫しても、どうしても動いてくれないことがあります。
そのとき、一番心配なのは家族が先に限界を迎えてしまうことです。
介護保険サービスだけでは補えない「隙間」がある
デイサービスを週に何回か利用できても、それ以外の時間は家族が対応しなければなりません。
「今日は行ってくれたけど、明日は行くかな…」という毎日の不安と、自分の仕事・家事・育児との両立。
介護保険のサービスは、あくまで決まった曜日・時間の中でしか動けません。急な対応や、ちょっとした隙間を埋めることは、制度の仕組み上むずかしいんです。
「つなぎ」として自費サービスを使う選択肢
そんなときに知っておいてほしいのが、介護保険外の自費訪問介護サービスです。
僕がよく紹介しているのが「イチロウ」というサービス。
最短当日・24時間365日対応で、介護保険では対応しきれない時間帯や内容を柔軟にカバーしてくれます。
「デイサービスに行くまでの間、誰かに一緒にいてほしい」 「拒否が続いていて今日は家族が限界、少しだけ代わってほしい」 そういった「今すぐ」の対応が必要な場面に、特に力を発揮します。
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まとめ:嫌がることを責めず、「楽しみ」を一緒に探そう
最後に整理します。
この記事のまとめ
- 親がデイサービスを嫌がる理由は「プライド・不安・楽しみが見えない」の3つ
- 「転ばないために行かせる」という動機は弱く、続きにくい
- 「楽しみを守るために行く」という順番に変えると、本人の意欲が変わる
- 声かけは「行って」ではなく「どこ行きたい?」から始める
- それでも限界なら、自費サービスで「今すぐ」の隙間を埋める選択肢がある
デイサービスを嫌がる親を「困った人」と思わないでほしいのです。
嫌がるのは、まだ自分の気持ちをちゃんと持っている証拠でもあります。
その気持ちに寄り添いながら、「楽しみ」を一緒に探していく。
それが、後悔しない介護の土台になります。
あなたが一人で抱え込まないで済むように、使えるサービスはどんどん使っていきましょう^^
何か迷ったときは、担当のケアマネに気軽に相談してみてください。
